日本のお寺での祭事のほとんどは、もうすぐやってくるお盆も含めて、どちらかというと退屈な感じがしますが、これらは昔からそうだったわけではありません。
16世紀の京都では、派手な衣装を身につけたお弟子さんを引き連れた僧たちが集まっては鐘や太鼓を打ち鳴らしながら踊り、大きな声で熱狂的にお経を歌っていたという記録が残っています。これは、「踊念仏(または、念仏講)」と呼ばれるものです。18世紀になると、この踊り念仏は江戸やその他の地方にまで広がり、徳川時代から明治時代にかけて全国で見られるようになりました。
踊り念仏は特に地方において僧の指揮のもと、踊りや歌や太鼓の夕べとして地元のお寺や誰かの家に人々が集まる楽しいイベントでした。踊ったあとはお茶やお酒を片手に地元の噂話に花が咲きました。
今度みなさんがお寺の行事に出席しなければならない時や、ご近所のお坊さんが仏壇を拝みに来てくれた時には「Shall we dance?(シャル ウイ ダンス)」(踊りませんか)と誘ってみましょう。