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一番のお気に入りシンガーソングライター





 ハワイについて話すとき、ブルーの空にブルーの海というだけでは実際にそれがどんなに青いブルーなのかわかりません。空の青さと海の青さはそれぞれまったく違う色だし、そのふたつの青が並ぶと息をのむばかりの光景です。毎年この時期、この美しい青い光景の中、水平線ぞいに潮が吹き上がったかと思うと、巨大なザトウクジラが忽然と水面を跳ね上がるのが見られます。それはほんの短い間のできごとで、さらにかなり遠くで起こるのですが、クジラが宙に回転し、また海中深く潜るときのとてつもない波しぶきと水面をたたく音は、くっきりと印象に残ります。

 ザトウクジラ(Humpback whale)は数あるクジラ種の中で5番目の大きさに過ぎません。最大のものはシロナガスクジラ(Blue whale)で、地球上最大の生物でもあります。全長は平均30メートル。その舌は象より重く、心臓は乗用車1台よりも重いぐらいです。(ちなみに地球上に生息する動物の中で最大の脳を持つのはマッコウクジラ〈Sperm whale〉です。)しかし、おそらくもっとも驚くべき事実は、これらクジラは今日わたしたちが見るのとほとんど変わることのない姿で世界中の海洋で2600万年以上もの間、生き長らえてきているということでしょう。

◆WHALE SIZE CHART◆

BLUE WHALE シロナガスクジラ 【30m】
HEIAN SHRINE MAIN GATE 平安神宮の鳥居  【24m】
HUMPBACK WHALE ザトウクジラ 【16m】
THE GREAT BUDDHA in NARA 奈良の大仏 【16m】
GRAY WHALE コククジラ 【14m】
AMERICAN SCHOOL BUS アメリカのスクールバ 【11m】
KILLER WHALE シャチ 【7m】
BELUGA WHALE シロイルカ 【4.5m】





 クジラはおとなしい性質と考えられており、寿命は60年と長く、世話のかからない生き物です。が、ペットとしてはあまりおすすめできません。産まれたばかりのクジラの赤ちゃんでも、お母さんクジラの母乳を1日450リットル以上も飲みます。成長したクジラは、1年のうち半年ほどしかエサを摂取しませんが、1日あたりの摂取量(ほとんどの場合、とても小さい魚を口いっぱい一飲みにします。)は約1トンにおよびます。ペットにするなら、今みなさんが座っている部屋より大きなエサ皿を用意しなければならないでしょう…。

 クジラはどの種でも音を介してコミュニケーションを図りますが、音楽的表現の才能がある唯一の種として知られているのがザトウクジラです。その他には、作曲家とまではいかないけれど、愛嬌があって機知に富んだものまね上手がシロイルカ(Beluga whale)がいます。シロイルカはクジラにしては小さく、ザトウクジラのしっぽの上に十分乗れるぐらいの大きさです。シカゴのある水族館で、シロイルカのものまね遊びの一例が記録されています。そこで飼育されているシロイルカが、定期的に水族館を訪れるダイバーの酸素タンクの音(あのボコボコという泡の音です)のまねをするようになったというのです。ニューヨークの水族館で飼育されているシロイルカは、電車や火災報知機や水族館のBGMから記憶した鳥のさえずりのものまねができるそうです。

 まさに天からの授かりものと言える海の声の持ち主で、わたしの一番のお気に入りのシンガーであり作曲家でもあるのがザトウクジラです。何百年も前のクジラ漁船の船長の日誌には、海底より聞こえてくるぞっとするような恐ろしい音についての数々の記録が残されています。当時、それらの音の正体がクジラの鳴き声であると想像したり、見当をつけることができた人は誰一人としていませんでした。近代科学の研究者によると、この現象は当時の船体が木造であったためにそれが自然の共鳴板となって、海底からの音の振動を増大したのだろうと考えられるそうです。船全体がクジラの歌を反響してしまい、乗組員たちはこの音が一体どこで鳴っていて、どの方角から聞こえてくるのかさえさっぱりわからなかったでしょう。さらに悪いことに、クジラは海中に潜っているときにだけ歌う習性を持っていますから、だだっ広い海の真ん中で、誰もいないさみしい夜、風と波の音と船のロープや舷側の板や帆のたてるキーキー、ギシギシときしむ音といっしょに、暗闇から聞こえてくる「雄叫び」がどれほどミステリアスで恐ろしいものだったか、想像できますよね…。

 時は移って1950年代に入っても、アメリカの潜水艦の乗組員は、水中音波探知機のスクリーンに未確認の音が探知されると定期的に報告しています。当時の「近代」科学でさえ、この音がクジラの鳴き声であるという見当がつけられなかったのです。典型的なアメリカ式のやりかたですが、この音はロシアがアメリカの通信システムを妨害し、かく乱するために流しているものではないかという憶測のもと、アメリカ政府は莫大な資金を投じてこの音の出所を調査させるに至ったのでした。
50年代のソ連がスパイとして本当にクジラを使っていたかどうかはわかりませんが、この研究資金のおかげで、科学者たちはまもなくこの音がどこから来るものであるかを解明することができました。その後10年の研究のうちに、彼らはこれらクジラの鳴き声が、ただのランダムなノイズではなく、れっきとした作曲であり、歌であることを発見したのです。

 それにしてもザトウクジラは本当に歌うのでしょうか?答えはたしかにイエスです!!クジラたちは、数分おきに複雑でリズミックなフレーズを繰り返していますが、これは鳥がさえずる短いメロディーというより、むしろわたしたち人間が作曲するときの手法に近いのです。時には一度に何時間も歌いつづけることもあるのです!それぞれの曲はメドレーのようにつながることが多く、そこに即興による変化が徐々に加えられていきます。5年ほどで、オリジナル曲は完全に新曲となって生まれ変わります。

 わたしがマウイ島沖にクジラたちを見たのは、11月から翌年5月ぐらいまで続く毎年恒例の(冬の)繁殖期でした。たいてい歌を歌うのはオスのクジラで、その理由はわかっていません。(おそらくメスの気を引くためか、他のオスを威嚇するためか、他のクジラとの距離を保ち合うためか??…)とにかくクジラたちの繁殖期の行動はすべてクジラのハワイアンラブソングの誕生に大きく貢献しているというのが多くの見方です!繁殖期を過ぎると、1年の残りの期間(夏)をひとつのクジラのグループは、アラスカ海沿岸から北カリフォルニア海沿岸へと移動しながら一緒に過ごします。また別のグループはオーストラリア近海、南米近海、カリブ近海、そしてもちろん日本近海などを移動します。私がアラスカを訪ねた夏には、クジラたちは食べることに専念していて、歌ったり作曲したりすることはありませんでした。その理由は簡単に説明できると思います。一日中あの大きな口一杯に小魚を一飲みしては海水を吐き出すのに忙しくて、歌うどころではないのです。

 時速5〜10キロ(最高速度は時速30キロ)でゆったりと泳ぎ、40日ほどかけて彼らはハワイに戻ってきます。毎年冬に戻ってくるとき、クジラたちは前の繁殖期の終わりに流行ったメロディーに少し手を加えたものを歌っています。ある研究により、ハワイ、メキシコ、日本近海で、それぞれ別のクジラ群が同じ年に同じ歌を歌っていたことが明らかにされました。その年のクジラチャートにかなりなビッグヒットがあったとも言えますよね! わたしはクジラの歌の録音が気に入って、ずいぶん前から聞いていますが、初めてクジラのライブを体験したのはハワイででした。その時の船長さんは、スポットにつくと、エンジンを切り、長いコードのマイクを海中へと下ろしました。船上のわたしたちには、クジラがどこにいるのか、どのクジラが歌っているのかはわかりませんが、かなり元気のいいコーラスが始まっていました!この手のマイクでも8キロメートルぐらい離れた場所の音まで拾うことができますが、過去にはもっと高性能なマイクを使用して1000キロも離れた場所にいるクジラの声を探し当てることができたそうです。おそらくクジラ同士はこれぐらい距離が遠くてもコミュニケーションできるのでしょう。(携帯電話がなくても…。)

 クジラはなんと7オクターブの声域を持ち、まさに地球上で最も低い音と最も大きな音を出すことができます。クジラの出す実際の音には、海面から海底までの自然のエコーと海中にあるその他の音とが入り混じっているので、先に言った単純なタイプのマイクとスピーカーを通してはそれほど大きな音には聞こえません。でも、もしクジラたちを浜辺へ連れてきて、そこで彼らが歌ったらロックバンドよりずっと大音量に聞こえるはずです。むしろフル回転しているジェット機のエンジンから1メートルのところに立っている感じに近いでしょう…!(クジラたちにビーチコンサートを開く習慣がなくてよかったでしょ?)
クジラ研究者たちが現時点でもっとも困惑しているのは、どうやってクジラが音を出しているのかが解明できない点だそうです。今のところわかっているのは、クジラは歌う時に口を開かないので空気がもれて音が出るのではないということと明らかな筋肉の動きは全く見られないということです。

 これらの問題の科学的解明は専門家の手にゆだねて、わたしは今までどおりクジラの歌をあるがままに楽しもうと思います。クジラたちが歌う言葉がわからなくても、その声とメロディーは不思議な力で、クジラたちより体のサイズもずっと小さくて、もしかしたら脳の構造もずっと単純かもしれないわたしたち人間の心にまっすぐに響きます。それぞれに美しい青をたたえた海と空の間を泳ぎ、跳ね上がるクジラを目にし、最初で最後かもしれないクジラのコンサートに遭遇して以来、ひとつだけ後悔していることがあります。それはあのときに拍手と声援でアンコールを叫ばなかったことです。

クジラたちは、みなさんが今、この文章を読んでいるときも地球の海深く歌っています。こんど海に行った時には、恐れることなく、できるだけ耳を海面に近付けて、彼らの歌を探してみてくださいね。

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