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ミスター・ピザ

タンザニアの場所 タンザニア北部の街アルーシャは、ケニア国境から車で2時間ほど走ったところにあります。2、3日かけてぶらぶらと見て回るのにちょうどいいくらいの広さの街です。私は昨年(1997)の2月にこの街を訪れたのですが、昼間はちょうどいいくらいに暖かく、夜には周囲が丘のため気温が下がり、心地よく眠れました。並木のある街並みは静かで、あちらからこちらへ歩く人々や、自転車や自動車でゆったりと景色でも楽しむようなペースで行き交う人々がいます。アルーシャくらいの広さの街で、こんなペースで人々が行き交う場所がほかにあるでしょうか?

 もしもたまたま街の中心部にあるバス・タクシー乗り場を見つけてしまったり、はたまた運の悪いことに、その人混みに巻き込まれてしまったら、アフリカの昔ながらの混沌とした人の波に驚かされるでしょう。駅周辺の客引きたちは観光客が本物のバスチケット売り場を見つける前に、ニセチケットを売りつけようと待ち構えています。彼らに行き先と希望の出発日時を指定すると、その場でチケットを手渡され、予約は完了して料金を支払わさせられます。これならわざわざ混乱を極める人混みをかき分けて、チケットを買いに行く手間が省けます。しかしながら、チケットに書かれた日時に出発していくれるバスが存在するかどうかの保証はまったくありません。また別の客引きは、希望するバスチケット売り場まで案内してくれるのですが、売り場に顧客紹介手数料を請求します。手数料が支払われなかった場合、その請求先はもちろんあなたに向けられます。さらに別の手口は、親切にもバスまで荷物を運んでくれるのかと思いきや、バスを通り過ぎ、バスからどんどん離れ、バス乗り場から出て、裏で待っている逃走用の車に乗り込んで走り去られてしまうこともあります!

アルーシャは、「サファリのメッカ」としてもよく知られています。このことは観光客にとって大きな魅力であると同時に、最大の悩みの種ともなるのです。すべてのサファリツアー会社がここに拠点を置き、アフリカで最も美しい野生動物保護区の数々:キリマンジャロ、ンゴロンゴロなどへのツアーを企画運営しています。これらのパークの中でもアルーシャのセレンゲティパークは、およそ3,000頭のライオン、5,000頭のゾウ、9,000頭のキリン、20,000頭のシマウマ、そして100万頭におよぶガゼル(小レイヨウ)という規模を誇るサファリなのです。魅力的なのは当然で、世界中から観光客が押し寄せます。

タンザニアの地図 なぜこのことがアルーシャにとっての弱みとなるのか、というといくつかのサファリツアー会社が、駅周辺の客引きと同じようなことを企むためです。たとえばあるツアーに申し込んで、料金を支払い(朝8時ちょうどに迎えに来るという約束に従い)翌朝ホテルのロビーでバスを待っていても、永遠にバスは来ません。前日に申し込んだツアーが、たまたま道を歩いていて、勧誘され、近くのカフェで手軽に予約できたものだったとしたら、パンフレットに書かれたツアー会社の住所や電話番号は、駅周辺にいた客引きたちでさえ、全く知らない架空のものであることもしばしば・・・。

私のアルーシャでの体験はどうだったかと言えば、もちろん本物のバスチケットを手に入れ、本物のバスに乗り、すばらしいサファリツアーを実在する住所と電話番号のある本物の事務所で予約し、ツアーを最高に楽しみました。通りを歩くと寄ってくるサファリツアーの勧誘に嫌気がさしたら、こんなふうに対応してみましょう。「野生の動物が大嫌いですから」または「すべての野生動物は動物園で見られるから」という具合に。もちろんアルーシャまで来てこんなことを言う人はいませんから、勧誘のセールスの人々はさっさとあきらめてくれ、自分のペースに戻ることができます。こんなふうに、理想的な気候、目を見張る美しさのコーヒー、麦、トウモロコシ畑の景色、息をのむほどきれいな山々や国立公園の数々、親切な(セールス勧誘なしの)地元の人々に囲まれ、2、3日この街での滞在予定を延ばしました。

いつになったらピザの話が出てくるんだろうと皆さん思い始めていることでしょうから、そろそろ・・・。

スタジアム通り(Stadium road)の外れの静かでほこりっぽい裏通りに、貧乏旅行する人に人気のゲストハウスがあります。バス停から徒歩10分、街の中心部へ徒歩で15分くらいのところに位置しています。ここは近隣のケニアやウガンダへ行き来する世界中のバックパッカーたちであふれかえっています。彼らがなぜここにやってくるかと言えば、皆さんお察しの通り、アルーシャのサファリをお目当てにやってくるのです。このゲストハウスでは、平均レベル以上、ユースホステルとほぼ同等のサービスが受けられます。ただ食事だけは(いくらアフリカのペースとはいえ)出てくるのに非常に時間がかかり、内容も平凡なので宿泊客は時々、近くにあるもっと小さくて、いくぶん古ぼけた「ロイテイゲストハウス」(Loitay Guest House)まで食事に出掛けていきます。このロイテイゲストハウスの店内には、テーブルは5つしかなく、うち2つは表のポーチに出してあり、日影にこしかけて、朝の紅茶や夕方のセレンゲティラガービール(Serengeti Lager)を飲みながら、行き交う地元の人々を眺めたり、彼らと話したりできます。

ピザ
このピザは日本製です。
ごめんなさい!


このゲストハウスのマネージャーがいったい誰なのかは、はっきりしませんが、ただ一人いつもエネルギッシュに店内を動き回って、お客の相手をつとめてくれるとてもフレンドリーな男性がいます。彼の名前は難しすぎて覚えられませんが、この店のメニューと彼の作る料理の腕前は忘れられないものです。地元のアフリカ料理をはじめ、サラダ、チキン、魚料理、野菜カレーはどれも想像力豊かな作で、なかでもオーブンで焼きたての完璧なピザを作るところから、彼のニックネーム「ミスターピザ」が誕生しました。私が最初にここでピザを注文した時は、(電気)オーブンで私のピザが焼かれている最中に停電が起きました。そのためピザが焼き上がるまでに約1時間もかかりましたが、(電池式の)ラジオから流れる地元のアフリカンミュージックを聴きながら、ミスターピザと楽しい会話をしているうちに、時間はあっという間に過ぎていきました。この小さなゲストハウスレストランは、アルコール販売許可証を持っていないので、ビールを注文すると、ミスターピザが近所のバーまで走ってビールを買ってきてくれるのです。彼が近所のバーでビールを買うことより、そこへわざわざ買いに走ってくれることの方がとても珍しいと思います。東アフリカのサービス業は全体的に、もっとスローペースなので、ミスターピザの熱心さは彼のピザの味に劣らずとてもありがたいものなのです。

Happy Feet 何度かここで食事をした後、私はミスターピザのゲストハウスに移ることにしました。こっちは近辺の競争相手のゲストハウスほど清潔でもないし、シャワーの調子は悪いし、電球はチカチカするけど、常にたくさんのアフリカ人客と話すチャンスに恵まれます。レストランは地元の人々にも人気で、なかにはマサイ族のお得意さまもいます。マサイの男性は伝統的な赤いマントを着て、女性は明るい色のビーズ細工の衣装を着てやってきます。男性も女性もたくさんのカラフルなブレスレットやアンクレット、何連もの長いイヤリングをつけ、美しく優しい微笑を浮かべています。彼らの衣装とテーブルのトマトソースピザがあいまって、とても珍しい色のコントラストが見られましたが、これら地元の人々が外食するのはとてもまれなケースです。たいてい彼らは家で夕食を終えてから、食後の「チャイ」やサファリラガービールを楽しみにやって来ます(ビールといえば…ほら、またミスターピザが走ります!)。

ミスターピザには夢があります。電話局や電力会社の頻繁なサービス停滞のため、通信がちゃんと成立するかどうかが危ぶまれるにもかかわらず、彼は街で最初にE-mailアドレスを手に入れました。彼の手帳には海外の友達の名前と、外国の雑誌からのおもしろい情報の抜粋や、インターネットからの情報がぎっしりと書き込まれています。宿泊客が置いていった古い国際ビジネスやニュース雑誌を大事に集め、いつも自分の仕事やライフスタイルを向上させるためのアイデアを捜しているのです。彼の目的ははっきりしていて、私たちには考えられないほどほんの少しの情報源を頼りに、人生を有意義なものにし続け、家族を幸せにし、お客さんに満足してもらうためにがんばっています。

私の出発する日、ミスターピザは通りの向かい側から隣のゲストハウスまでの雑草が生い茂った土地を指さして、すでに土地賃貸の頭金を支払ったと話してくれました。茂みと雑草だけを刈り取って、大きな木々は残すつもりだそうです。あの木々があれば、シンプルなアフリカの小屋とその庭にある木のテーブルを出した、ミスターピザのタンザニアレストランバーにうってつけの木陰ができるでしょう。そこは地元の人々も観光客も一緒になって親しめるようなスポットになるでしょう。

私は今から次回の滞在が楽しみで、早く彼の新しいメニュー(ジャパニーズアフリカン料理かも?)を食べてみたいし、彼の夢がどんなふうに実現したかを見てみたいです。でも残念なことに、次の旅の予定はまだまだ先の話になりそうなので、皆さんのなかで誰かアルージャに旅行に行かれる方がいたら、ぜひロイテイゲストハウスに立ち寄って、私がよろしく言っていたと伝えてください。私の代わりにキリマンジャロラガーで乾杯したり、静かな並木道を散歩したり、マーケットを歩いてみたり、タンザニアで2番目に高いメル山(4,556m 幸運を祈ります!)で体力を試してみたりしてください。

バスのチケットだけは本物の事務所で買うように。怪しい目つきの口数の多いサファリツアーガイドに御用心を!

すてきな旅とおいしいピザを楽しんできてください!

(1998年記。今はもうピザの味も変わっているかもしれません・・・。)


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